きまぐれお散歩のブログ

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思い出の読書感想文。

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine

 

30代となった今では懐かしい夏休みの宿題
その中でも「読書感想文」は、決められたリストの中から、決められた原稿用紙に、決められた文字数で書くというのが苦痛だった

 

ちなみに私は本好き
小学生の頃から「罪と罰」を文庫で読んでいたくらい、色々な本を片っ端から読んでいたくらい読書好き

 

でも何故か読書感想文だけは苦痛だった
理由はわからないけど、きっと人が推薦する本のリストから選ぶのが何か嫌だったんだと思う
自分で図書館に行って、自分が興味を感じた本を読みたい
そんな本好き少女だったんだと思う

 

だから読書感想文はいつも夏休み最後の方に、慌てて読んで慌てて完成させていた
そんな苦い思い出なのに、高校生の頃に読書感想文である本を読み、その本に衝撃を受け、20年以上たった今でもその本を持っている

 

その本は「ザ・ギバー 記憶を伝える者

ザ・ギバー―記憶を伝える者 (ユースセレクション)

ザ・ギバー―記憶を伝える者 (ユースセレクション)

 

 

当時、何故この本を選んだのかはわからない
ただいつものように読書感想文用本のリストが書かれた紙の、確か下の方に書かれていたタイトルだったと思う


いつもは図書館で借りるのに
このときだけは、何故か本屋さんで購入したのを覚えている
なんであのときこの本を選び、なんで購入したのだろう?

 

夏休みの終わりに読み始めたこの本
読み進めていくうちにどんどん本の世界に引き込まれ、終わったときには今までとは違う世界が広がっているように思えた

 

当たり前だと思っていたものが、この世界にはない

読み始めた当初はそれには気付かず
(少し変わった世界だなぁ)
という、その程度の感想だった

 

とてもきっちりと決められた世界で
だから争いも深い悩みも、感情の大きな起伏もない世界
ある意味幸せそうな、よさそうな世界
大きな選択や違いがないから、争うこともない
統一されているから貧富の差もなく平和
危ないものは除去された世界


一見理想的な世界
だれもが平和

 

でも人から「色」や「選ぶ」や「欲」や「弱者」を省くのが本当に幸せなのか?

 

人と違うから面白い
自分で選べるから悩む
悩みがあるから次の幸せが嬉しい
弱い人もそこから人生を切り開く力を学ぶ
強い人は弱い人を助け守ることで守るべき愛を学ぶ
出会いや別れ、怒りや喜び、失敗や成功
人生は苦しい事、辛いことが多いけど
楽しいこと、嬉しいことだって探せば沢山ある

 

この本はそういうことを考えさせられた

当時高校生だった私も
ちょうど進路もそうだし、その先自分はどういう人生を送りたいのか悩んでいた
悩むのが苦しいって感じるときもあったと思う
でもこの本を読んだときに思ったのは

 

「悩む選択肢があるのは自分が自分でいられること」

 

だと思った
自分で選択できること、悩めることが沢山あるのは幸せなことなんだって
言い換えれば自分で自分を作っていけるんだって気付いた

 

この本をきっかけに
私は悩んで悩んで、進学ではなく海外に1年間行く選択をし、それをきっかけにその後の人生に大きな影響を与えた

 

今でも人生の道に迷ったときは
この本を読み返すんだ

 

悩んで落ち込むのではなく
悩める幸せを再認識するために